こんにちは。自閉症のJ君(特別支援学校 高等部1年)の父です。
卒業後の進路について、調べたことを全部まとめました。
きっかけは、ふとした気づきでした。
「あと2回この夏が来たら、J君は卒業する」
そう思った瞬間に、何も分かっていない自分に気づいたんです。B型、A型、就労移行支援、生活介護、受給者証、障害年金、グループホーム——言葉は聞いたことがあっても、中身を知らなかった。
そこから半年かけて調べたことを、時系列で整理しました。
「いつ、何をすればいいか」が分かる形にしたつもりです。同じ時期のお子さんをお持ちの方に、少しでも役立てば嬉しいです。
全体の流れ|いつ何が起きるのか
まず、大きな流れを整理します。
| 時期 | 起きること |
|---|---|
| 高等部1年 | 校内実習/情報収集の時期 |
| 高等部2年 | 現場実習が本格化/見学 |
| 高等部3年 | 実習を重ね、2学期ごろ進路決定/受給者証の申請 |
| 卒業後 | 就労・福祉サービスの利用開始 |
| 20歳 | 障害年金の申請 |
| その先 | 住まい(グループホーム)/親なきあとの備え |
進路が本格的に決まるのは3年生の2学期。そこから逆算すると、1年生から動いても早すぎません。
1. まず読んでほしい|進路の全体像
何から手をつければいいか分からない方へ。選択肢の全体像をまとめた記事です。
▶ 支援学校の進路、親はいつから動けばいい?高等部1年の父が調べたこと
- 卒業後の選択肢(一般就労・就労移行支援・A型・B型・生活介護・自立訓練)
- 学年別のスケジュール
- 卒業生の約6割が社会福祉施設等に進むという事実
- B型希望なら就労アセスメントが必要なこと
このシリーズの起点になる記事です。
2. 学校で起きること|現場実習
進路は、まず学校の中から動き始めます。
▶ 現場実習は2年生から本格化する|1年生の親が知っておきたい3年間の流れ
- 1年生は校内実習が中心。校外に出る前の段階
- 2年生から現場実習(1週間、同じ事業所に通うことが多い)
- 3年生で進路決定に直結する実習へ
- 小中学部からの生活の積み重ねが効く
「いきなり企業で働くわけではない」——これを知って、少し安心しました。
3. 2025年10月に始まった新制度|就労選択支援
知らないと損をする制度です。
▶ 就労選択支援は高等部1年から使える|2025年10月に始まった新制度を調べた
- 作業体験・検査・面談で、自分に合った働き方を検討するサービス
- 高等部の全学年が対象。3年生を待つ必要はない
- 在学中に複数回利用してもよい
- 結果は「推奨」であって、縛られるものではない
私は「3年生になったら受けるもの」だと思い込んでいました。違いました。
あわせて、準備について書いた記事もあります。
▶ 就労選択支援、まだ行ってない親が今やるべきこと【準備で体験の質が変わる】
4. 事業所を選ぶ|見学の準備
制度を調べても、「うちの子に合うのはどれか」はどこにも書いていません。
答えは、見に行くしかない。
▶ 就労支援の見学、言葉で答えられない子の親は何を見ればいいのか
- 見学の流れと、体験利用という次の段階
- 本人の特性メモをA4一枚にまとめて持参する
- 「言葉で意思表示が難しい利用者はいますか」と必ず聞く
- 利用者の表情、職員の声かけ——パンフレットに載らないものを見る
世の中の見学ガイドは、ほとんど本人向けに書かれています。「ここがいい」と言えない子の親のために書きました。
5. 進路先ごとの詳しい話
就労継続支援B型について
▶ 自閉症の息子の卒業後の進路を考える|就労継続支援B型・工賃・デイサービス、親として悩みながら見学へ
▶ 就労継続支援B型は「やめたほうがいい」?工賃の現実と、進路に悩む親の本音
就労移行支援について
▶ 【2026年最新】発達障害・自閉症の子どもが使える就労移行支援を比較
6. 手続き|受給者証がないと始まらない
ここを知らないと、卒業に間に合いません。
▶ 受給者証がないと、B型にも通えない|取り方と、いつ動くべきかを調べた
- B型もA型も就労移行支援も、受給者証がないと利用できない
- 療育手帳を持っていても、別に申請が必要
- ⚠️ 申請は「事業所が決まってから」——順番を間違えない
- 交付まで1〜2ヶ月かかる
つまり——3月卒業・4月から通所なら、1〜2月には事業所が決まっている必要がある。
7. 20歳|障害年金
卒業の、その先の話です。
▶ 障害年金は20歳から。でも準備は今から始めないと間に合わない
- 知的障害の場合、初診日は「出生日」扱い。初診証明書が不要
- ⚠️ ただし通院歴がないと、診断書を書いてもらえない可能性がある
- 20歳到達日の前後3ヶ月以内の診断書が必要
- 病歴・就労状況等申立書には、生まれてからの記録が要る
「20歳になったら申請」ではなく、今から準備が始まっています。
8. 住まい|グループホーム
「働く場所」の次は、「住む場所」です。
▶ グループホーム、いつから考える?|手放したくない親の、正直な迷い
- 原則18歳以上。高校卒業のタイミングで入る人もいる
- ただし入居者の中心は30代〜50代。急ぐ必要はない
- 障害支援区分の認定が必要
- 「本人の意思の尊重」——でも言葉で伝えられない子の場合は?
正直に書いた記事です。手放したくない気持ちも含めて。
9. その先|親なきあとの備え
いちばん考えたくないことですが、避けて通れません。
▶ 親が認知症になったら、子への支援は止まる|「親なきあと」の手前にある問題
- 「親なきあと」の手前に、「親が認知症になったとき」の段階がある
- 親の判断能力が低下すると、財産が凍結される可能性
- 成年後見制度と家族信託、それぞれのできること・できないこと
我が家も、まだ何も決めていません。
調べてみて、思ったこと
半年かけて調べて、はっきりしたことがあります。
制度の名前は、調べれば分かる。でも「うちの子に合うのはどれか」は、どこにも書いていない。
当たり前です。J君のことを一番知っているのは、制度の解説者ではなく私たちなので。
だから最後は——見に行って、感じて、決めるしかない。
そしてJ君は「行きたい」とも「行きたくない」とも言えません。言葉で聞けないなら、経験させて、反応を見るしかない。
選ぶのは親で、通うのは本人。
この重さに、まだ整理はついていません。でも知らないまま決めるよりは、知ってから迷う方がいいと思っています。
我が家はまだ、何も決まっていません
正直に書きます。
見学にも、まだ行っていません。
J君は高等部1年。学校からの案内もこれからです。
でも——調べたこと自体が、準備になったと感じています。
何を聞けばいいか分かった。いつまでに何をするか分かった。「知らない」という一番の不安が、減りました。
これから実際に動いたら、そのときのことも記録します。
▶ 自閉症の息子が「できるようになったこと」全記録|16年間の成長リスト【随時更新】
まとめ
- 進路が決まるのは高等部3年の2学期。逆算すると1年生から動いていい
- 就労選択支援は全学年で使える。3年生を待たなくていい
- 現場実習は3年かけて段階的に進む
- 受給者証は事業所決定後に申請。交付まで1〜2ヶ月
- 障害年金は20歳から。でも通院歴がないと診断書が書けない
- グループホームは急がなくていい。入居者の中心は30代〜50代
- そして——制度を調べても、合う場所は見に行かないと分からない
同じ時期の方と、一緒に考えていけたら嬉しいです。
※本記事および各リンク先は、2026年9月時点で調べた内容です。制度や運用は自治体・学校により異なります。詳しくは在籍校の進路担当、またはお住まいの市区町村の障害福祉窓口にご確認ください。

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