25m、一度も足をつけずに25秒台|10年かけて、本当に泳げるようになった日

プールで力強く自由形を泳ぐ男の子のイラスト J君の成長記録
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こんにちは。自閉症のJ君(特別支援学校 高等部1年)の父です。

今日は、我が家の小さな記念日になりました。

神戸常盤アリーナで開かれた第19回スペシャルオリンピックス兵庫 競泳競技会。J君が出場しました。

そして——これまでにない出来事が起きました。

表彰台で両手を挙げる男の子|スペシャルオリンピックス兵庫

45秒台が、25秒台になった

先に数字を書きます。

25m自由形。これまでのJ君は、なんとか泳ぎ切って45秒台でした。

今日のタイムは——25.01秒。

ほぼ半分です。

そしてもう一種目、15mアシスト付き自由形は18.72秒

でも、この記事で本当に書きたいのはタイムではありません。

一度も、足をつけなかった

J君は両種目とも、一度も途中で足をつけませんでした。

これがどれだけのことか。同じ悩みを持つ方なら、分かってもらえると思います。

J君は長いあいだ、泳いでいる途中で立ってしまう子でした。足が届く場所で、つい下ろしてしまう。それが何年も続きました。

25mの大会で50m泳いだ息子|西宮市福祉センター杯に参加しました

つい2週間前の記事にも書いたばかりです。「自由形だと途中で立ってしまうから、背泳ぎを練習している」と。

その課題が、今日、完全になくなっていました。

アシストのコーチを、置き去りにして

もうひとつ、忘れられない場面があります。

15mアシスト付き——これは、コーチが横について泳ぐ種目です。

J君はそのコーチを置き去りにして、一人で泳ぎ切りました。

アシストが、追いつけなかった。

急に覚醒したみたいに

正直に書きます。何が起きたのか、私にも分かりません。

1ヶ月ほど前から、急に途中で立たなくなりました。

そして今日、急に速くなった。

きっかけらしいきっかけは思い当たりません。特別な練習をしたわけでも、新しい指導を受けたわけでもない。

急に覚醒したみたい、としか言いようがない。

私たち夫婦はもちろん、コーチ陣も、他の保護者の方々も、みんな驚いていました。

競技後、J君は褒められまくっていました。本人もすっかりご機嫌。

0.17秒差の銀メダル

結果も書いておきます。

15mアシスト付き自由形:1位(金メダル)

25m自由形:2位(銀メダル)

25mは壮絶なデッドヒートでした。1位の子との差は——0.17秒。

金と銀、両方を持って帰った日になりました。

小学生のときから、毎年出ています

J君がスペシャルオリンピックスに入会したのは、小学生のときでした。

そこから毎年、この大会に出続けています。

【スペシャルオリンピックス水泳2025】J君の挑戦と笑顔|尼崎スポーツの森 室内25mプール拠点

発達障害の息子の水泳記録|スペシャルオリンピックス9年目の成長

スペシャルオリンピックスは、知的障害のある人のスポーツ活動を支援する国際的な組織です。

競技レベルに応じてビギナークラスとマスタークラスに分かれていて、J君は今回もビギナークラスで参加しました。

勝つことが目的の大会ではありません。それぞれが自分の力を出し切る場所です。

だからこそ——自分の記録を半分にした今日は、特別でした。

バタ足ができなかった頃を思い出しています

水泳を始めて、10年強。

思い返せば、長い道のりでした。

バタ足ができずに悩んだ時期がありました。足が動かない。リズムが取れない。何度教えても、うまくいかない。

途中で立つことをやめられなかった時期がありました。プールの真ん中で、すっと立ち上がってしまう。何度伝えても、また立つ。

「この子は、本当に泳げるようになるんだろうか」

正直、そう思った日もあります。

でも——今日、本当に泳げるようになったと実感しました。

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10年続けたから、今日があった

言葉にすると当たり前のことですが、書いておきます。

10年、やめなかったから今日があります。

毎週プールへ通って、なかなか上達しなくて、それでも通い続けて。

いつか泳げる日が来ると信じてきました。

でも——正直に書きます。

その日は来ないかもしれない、とも思っていました。

信じることと、諦めかけることは、両立します。親をやっていると、そういう日が何年も続く。

それでも通い続けた10年が、今日ここにつながりました。

積み上げは、見えないところで進んでいる。

そして、あるとき突然、形になる。

今日それを、目の前で見ました。

記念日は、げんこつラーメンで

余韻に浸りながら、今日はJ君の大好きなげんこつラーメンへ行くことにしました。

注文はいつも通り、半ラーメン+半チャーハンのセット

J君の定番です。他のメニューは選びません。

終始ニコニコで、ゆっくり、おいしそうに完食していました。

金メダルと銀メダルを持って、いつものラーメンを食べる。

うちの記念日は、こういう形です。

まとめ

  • 第19回スペシャルオリンピックス兵庫 競泳競技会に出場(神戸常盤アリーナ)
  • 15mアシスト付き自由形:18.72秒 1位(金)
  • 25m自由形:25.01秒 2位(銀)——1位との差は0.17秒
  • 両種目とも、一度も足をつけずに完泳
  • これまで45秒台だった25mが、25秒台に
  • 15mではアシストのコーチを置き去りにして泳ぎ切った
  • 水泳を始めて10年強。バタ足ができない時期も、立ってしまう時期もあった
  • そして今日、本当に泳げるようになった

「まだできない」の中にいる方へ。

信じきれない日があっても大丈夫です。私もそうでした。

それでも続けていれば——ある日、突然その瞬間が来ます。

うちは、10年かかりました。

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