自閉症の息子J君は、歩き始めたのも早く、赤ちゃんの頃からとても活発でした。ジャンプしたり高いところに登ったり、時には目を離せないアクロバティックな動きを見せて、私たち家族を驚かせることもしばしばありました。
年齢に合わない身体能力で目立つ存在だったJ君
公園でも同年代の子に比べて運動能力が高く、すばやく走ったり、複雑な遊具に登ったりする姿が目立っていました。「あの子、すごい運動神経ね」と声をかけられることもありましたが、内心では「落ちたり転んだりしないだろうか」と常にハラハラしていたのも事実です。
そんな日常に私たちも次第に慣れ、多少の動きでは驚かなくなっていました。それが少しの油断だったのかもしれません。ある日、忘れもしない大事件が起こります。
3歳の誕生日に起きた突然のアクシデント
その日はJ君の3歳の誕生日。夕方、家族でお祝いの準備をしている最中、J君は一人で椅子をおもちゃ代わりに、いつものように飛び跳ねて遊んでいました。ところが突然、大声で泣き出しました。その泣き声はいつもと違い、直感で「これはただ事ではない」と感じました。
駆け寄ると、J君は左腕を押さえて痛がっています。すぐに車で外科へ直行しました。診断は「骨折」、しかも手術が必要とのこと。頭が真っ白になり、背中が凍るような思いだったのを今でもはっきり覚えています。
手術から回復まで、そしてその後のJ君
幸いにも手術は無事に終わり、その後の経過も順調でした。数週間の通院を経て、J君は以前と変わらないくらい元気に回復。骨が完全に癒えてからは、まるで何もなかったかのように、再びアクロバティックな遊びに夢中になっていました。
この出来事をJ君自身が覚えているかはわかりませんが、私たち家族にとっては忘れられない思い出です。今も身体に影響はまったくなく、元気いっぱいに過ごしています。
まとめ|運動が得意な子へのまなざしと見守り
発達障害のある子どもにも、それぞれの得意分野があります。J君にとっては、それが「体を動かすこと」でした。だからこそ、危険を避ける工夫や見守りの大切さも身にしみて実感しました。
同じように活発な特性を持つお子さんと向き合っているご家庭にも、この体験が少しでも参考になればうれしいです。
コメント