自閉症の息子J君の成長記録|かんしゃくを乗り越えて穏やかになった理由
J君は幼いころから穏やかな性格の子でした。普段はニコニコして、特別に手がかかるような子ではなかったのですが、小学校低学年の頃までは、時々「かんしゃく」を起こすことがありました。
たとえば、外出先で食事を注文して待っているとき、他のテーブルに先に料理が運ばれると、自分のところに届くものだと思っていたJ君は、我慢ができずにつらそうな表情で怒ったり、声を荒げてしまったりしていました。また、公共のトイレに連れていった際、すべての個室が使用中だったりすると、大声で泣いて怒る姿も見られました。
社会のルールを理解するのは難しい
社会のルールを理解することは、J君にとってとても難しいことでした。私たち大人にとっては「順番を待つ」「誰かが先に使っている」というのは当たり前のこと。でも、それを目の前のJ君に伝えることは、とても難しく感じました。
私はふと、「このままでは、社会に適応するのは厳しいのではないか」「これからの人生、外出のたびに毎回このような出来事が起きるのではないか」と不安がいっぱいになったこともありました。
変化が訪れたのは小学校高学年
ところが、小学校の高学年になるころから、J君の様子は大きく変わってきました。あれほど怒っていたシーンでも、感情を爆発させることは少なくなり、むしろ静かにじっと待つことができるようになったのです。
これは成長なのか、それとも少しずつ社会のルールを理解していったからなのか。きっとその両方なのでしょう。自閉症のある子どもにとって、変化や理不尽を受け入れるのはとても難しいことです。それでもJ君は、毎日の積み重ねのなかで、少しずつ「社会との折り合いのつけ方」を学んでいったのだと思います。
もしかして、あきらめているのかもしれない
ただ、親として一つだけ気がかりなのは、「J君が本当は怒りたいのに、怒っても意味がないと感じて、感情を押し込めているのではないか」ということです。
感情を爆発させなくなったのは良い変化に見える一方で、「あきらめ」や「感情の抑圧」によるものだったとしたら……と考えると、とてもつらい気持ちになります。
本当の気持ちは、J君本人にしかわかりません。私たち親も、表情や反応を見ながら「今どんな気持ちなのかな」と想像することしかできません。これが自閉症育児の難しさでもあります。
今は穏やかに暮らせている日々に感謝しながら、J君の本当の気持ちを大切にしていきたい。そう願っています。
💬あなたのお子さんは、どんなふうに成長していますか?
ここまで読んでくださりありがとうございます。同じような悩みを経験された方、自閉症のお子さんとの日々を送っておられる方、ぜひコメント欄やSNSでご意見・ご感想を聞かせてください。皆さんとつながれることを願っています。
コメント
先日はブログをフォローいただきありがとうございました。
当方は大人のADHD&ASDにつき、こういった目線での子供時代は過ごしていません。
それゆえ本記事から参考になる点も多く感じられました。
当方の場合は社会人でブラック企業(離職率高い)に入ってしまったことで二次障害が顕著に悪化し今に至っております。
通常雇用しか経験はありません。
自分では後天的にいろいろ社会人としてのふるまいを学んだつもりでしたが、友人に「ブラック企業に適応しちゃったら逆に問題だから退職してよかったんだよ」とコメントをもらいました。
自己肯定感と社会とルールのバランス感覚がはやいうちからつくと悩みがへりますね。
初めまして。コメントいただきありがとうございます!
大人の方のADHD&ASDの視点からも共感してくださったこと、とても嬉しく思います。
「ブラック企業に適応してしまうことが逆に危うい」というご友人の言葉、とても深いですね。私も同感です。
本当に、自己肯定感や「自分らしさ」と社会とのバランスを早いうちから意識できることが、子どもたちの未来を守る鍵だなと日々感じています。
今後もJ君との日々を綴っていきますので、またぜひ覗きにきていただけたら嬉しいです☺