「てんかん」ではなく「常同行動」だった──誤診に気づいた先生の一言がJ君を救った話
小学3年生、突然始まった奇妙な行動
J君が小学3年生の頃、食事や外出の前に、決まった動作を繰り返す様子が頻繁に見られるようになりました。まるで何かに取り憑かれたように、その行動を終えないと次に進めない──そんな状態でした。
私たちは「もしかして、てんかん発作では?」と不安になり、脳波検査を受けるために病院を受診することにしました。
診断は「てんかん」…でも違和感が
J君はじっと座って検査を受け、結果は「てんかんの疑いが強い」とのこと。薬も処方されました。私たちも医師の説明に一応納得したものの、心のどこかで違和感が残っていました。
担任の先生の疑問が転機に
後日、学校の連絡帳に診断結果を報告すると、担任の先生がすぐに反応してくれました。「本当に、てんかんでしょうか?」と。その先生は専門の医師を紹介してくださり、なんと当日、一緒に同行までしてくださいました。
正しい診断「常同行動」との出会い
紹介された先生は、J君の様子を丁寧に聞き取った上で、「これはてんかん発作ではなく、常同行動の可能性が高い」と説明してくれました。その言葉に、私たちはようやく心から納得できました。すぐに薬の服用を中止し、様子を見ると、やはり「てんかん」ではなかったのです。
今も忘れない、あの先生への感謝
もしあの時、担任の先生が声を上げてくれなかったら──。J君は今も、必要のない薬を飲み続けていたかもしれません。そう考えると、申し訳なさと感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。
今のJ君があるのは、支えてくださった先生や専門の方々のおかげです。この体験を通して、「声を上げてくれる大人の存在」が、子どもの未来を変えることがあると実感しました。
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